サンセリテのいち社員

お初にお目にかかりました!!

昔見た映画の話

今日は、私が高校3年生の時に観た映画の話をしようと思います。

 

部活動の一環で顧問の先生と一緒に『カランコエの花』という映画を観に行きました。LGBTを題材にした作品で、40分くらいの短編映画でした。割と最初の方に出演者と監督の名前が出てきて、”脚本と監督さん同じなんだ~”と思っていたことを覚えています。

舞台は高校。クラスでの何気ないテストの話や部活動で楽器を演奏している場面など、本当に高校生の日常を観ているような入り。まず第一にこんなに自然な演技ができる出演者の実力に驚愕した。出演者に有名な人がほとんどいなかったのもあり、より生々しさがあった(当時、今田美桜さんのことを全く知らなかった)。顔の知られている芸能人・有名人を呼ばなかったのが監督の意図なのか分からないけど、”私は画面奥の登場人物とは違う”と思わず、あくまでも日常生活の中にいる1人の話として物語を受け入れる事が出来た。これが芸能人とかだと異世界の物語として判断するんだろうなとか思っていた。

教科担当の欠席により、授業内容が数学から急にLGBTについてと変化した高校生の反応は色とりどりでこれもまた面白かった。困惑しはじめるやつ、顔色を変えないやつ、おふざけをし始めるやつ、そしてうつむく女の子。とにかく全部が自然でむしろ怖かった(少し静かだけど)。今田美桜さん演じる主人公は、後々友人の女の子にLGBTをカミングアウトされ、「好きだ」と告白をされるのですが、最終的には、主人公が今後どのように生きていくのかまで描かれていないんです。これも私がこの映画を好きな理由でして…

本や映画には、結論がある・ないパターン、読者に投げかけるパターンの3種あると考えているのですが、この作品は読者に投げかけるパターン。その中でも”あとは自分で考えろ”と投げかけるような結論ではなく、主人公なりの結論はあると筆者は考えている。あなたはどう捉えたか?みたいな投げかけであった。私はそれがたまらなく好きなのです。筆者もいち視聴者としている感覚?めっちゃいいですよね。こういう物語の楽しみ方を色んな人に感じてもらいたいと思っています。誰?って感じですが。

 

この映画は私がその部活に入っていなければ死ぬまで観ることは無かっただろうなと思うので、人生って色々あるなと思いました。今度は同じ監督が作った「少女は卒業しない」も観てみたい。LGBTの話だったら「渚のシンドバッド」という作品も気になっている。時間をください。

 

良かったら皆さんも観てみてほしい作品です。人のふとした目線や顔つきって嘘が付けないと改めて感じるし、演技に見えない役者の演技力にも注目して観てほしい。